MECMでPeer Cacheを利用した配信でパスにマルチバイト文字が含まれていると配信が失敗する

1.事象

タイトルだけで話が終わっていますがSCCM (System Center Configuration Manager:以下SCCM) / MECM (Microsoft Endpoint Configuration Manager:以下MECM) でPeer Cacheを利用してパッケージなどの配信する際にファイル名などに日本語などのマルチバイト文字が含まれると配信に失敗します。

この事象は少なくともMECM CB 2010で発生し、CB 2203でも修正されていません。 既にサポート外ですがSCCMでも同様と思われます。

2.詳細

マルチバイト文字が含まれていてもパッケージは配布ポイントからの配信は問題なく行えます。しかし、Peer Cache(ピアキャッシュ)からの配信はマルチバイト文字が原因で失敗します。 クライアントが受信したパッケージを自身のccmcacheフォルダ内のキャッシュをソースにPeer Cache(ピアキャッシュ)として動作するようになると、境界グループ設定でピアソースより配布ポイントを優先する設定をしていない場合は通常同じサブネットのピアソース・隣接する境界のピアソースを優先で参照するため配布ポイントからパッケージを取りに行きません。 結果として1台でもピアソースとして動作を始めると配信対象のクライアントはほぼすべて配信に失敗します。

3.ログの見るべきところ

受信に失敗してるクライアントのLogフォルダから「datatransfer.log」を参照してください。 ピアソースから受信するファイルのマニュフェストを受け取っている途中で受信に失敗し、配信が失敗しているはずです。 またログ内に記述されている受け取ったマニュフェストに記載されているファイル名は名前順でマルチバイト文字が含まれるファイルの1つ前のファイルになっているはずです(エラーになって該当ファイル名が記録されないため)

4.対応

  • ピアキャッシュの利用が想定されるパッケージ内のパスにマルチバイト文字を使用しない。
  • ピアキャッシュの利用が想定されるパッケージ名や展開名にもマルチバイト文字を使用しない(こちらは未確定)